元気な骨になるためには骨に必要な「カルシウム・ビタミンD・葉酸・ビタミンK」を日頃の食事から摂取することが重要です。
どういうふうに摂るとよいのかを見ていきましょう。
・カルシウム
骨と言えばカルシウム、と思う方もいるのではないでしょうか。
骨にとっては欠かせない栄養素です。
カルシウムの主な働きは、骨を作る材料になることです。おもに骨形成という仕組みで、骨を形作るのに利用されます。カルシウムを摂るもう一つの理由は、
血中のカルシウムが減少すると、破骨細胞が骨を溶かし、骨のなかのカルシウムを血中出してしまうからです。
体内のカルシウム量を一定に保つと、必要以上に骨を破壊するのを防ぐことが出来ます。
1日に必要なカルシウムの量は、女性で650㎎、男性で700㎎といわれていますが、骨粗しょう症の患者さんでは、更に多めの800mgの摂取が勧められています。
60代の平均摂取量は、580㎎という調査結果があるので、あと220㎎…牛乳1杯分ほどを多く摂るよう意識してみましょう!
カルシウムが多く含まれているのは、乳製品や骨ごとたべられるししゃもや桜エビなどですが、意外なところで厚揚げなどの豆類や大根葉などの野菜にも含まれています。
例えば女性の場合、1日の必要量は650mgなので食品から摂取するとなると、
牛乳ではコップ3杯、スキムミルクでは大さじ8杯、ししゃもは4匹、焼き豆腐では1丁と1/3丁が必要となります。
この量を1つの食品で摂取しようとすると、なかなか大変ですよね。
なので、これらの食材をうまく組み合わせて摂取することがカルシウムを効率よく補給できる秘訣となります!
また、カルシウムは食材によって体への吸収率が変わってきます。
1番吸収されやすいのが乳製品(40%)です。
次が小魚などで33%、最後が野菜類の19%となります。
数字で見ると、意外と吸収されないような印象を受けますが、食材の組み合わせ次第で吸収率を上げることができます。
より吸収されるよう変えることができます。
吸収率を上げてくれる栄養素は、ビタミンC、有機酸、ビタミンD,たんぱくしつ、マグネシウムなどです!
具体的な食材でいえば、有機酸のお酢や、ビタミンCのレモン、ビタミンDはキノコ類、たんぱく質は肉など、マグネシウムは玄米や貝類などに含まれています。
吸収率を上げる食材と組み合わせて、効率よくカルシウムを摂取しましょう♪
・ビタミンD
ビタミンDはカルシウムの腸管吸収を促進させ、血中カルシウム濃度を一定に調節してくれる栄養素です。
不足すると骨がもろくなってしまいます。
具体的には、腸でのカルシウム吸収を促進したり、骨形成時に骨へカルシウムが沈着するのを促したり体内カルシウムが減っていたら、尿中からの再吸収をうながしたりとその活躍は多岐にわたります。
ビタミンDがいるからこそ、カルシウムが本来の働きが出来るのです。いわば、名わき役のような感じです。
また、最近の研究で、免疫機能の維持にもビタミンD3がかかわっていることがわかりました。
免疫をつかさどる細胞も、このビタミンDを使って働いています。。
そういう意味でも、色々な感染症が気になるこの時期は特にビタミンD を意識して摂ることをお勧めします。
そんなビタミンDですが、食品ではきくらげや干しシイタケなどのキノコ類や、しらす干しやうなぎ、いわしやさけなどの魚に多く含まれます。
きのこなどの野菜類に含まれるのがビタミンD2で、魚類は脳や免疫とのかかわりもあるビタミンD3が多いとされています。お悩みに合わせて、食品を選んでみて下さい!
食品で摂取する場合でも意外と摂りやすい量になっています。
こちらも、単体でとるのではなく、組み合わせることがおすすめです。
また、ビタミンDは体内でも生成される栄養素なので牛乳を飲んだあとに
外出や日向ぼっこをすることもおすすめします。
・葉酸
葉酸は骨質の維持に欠かせないコラーゲン同士の繋がりを維持してくれる働きがある栄養素です。
骨にとどまらず、赤血球の生成を促して貧血の予防であったり動脈硬化を引き起こす成分をコレステロール低下作用のある成分に置き換える働きなど
血管に嬉しい様々な効果をもたらす栄養素でもあります。 葉酸ですが、水に溶けやすい栄養素なので、蒸したり・炒めるような調理方法がおすすめで す。
・ビタミンK
ビタミンKは骨に存在するオステオカルシンというたんぱく質を活性化し、カルシウムを骨に沈着させて骨形成を促す作用があります。
骨粗鬆症の治療薬としてこのビタミンKが処方されることもあるようです。
また、ビタミンKは腸内細菌によって腸管内でも作ることが出来る栄養素ですが、年齢とともにその作成量は減少していくため、食事からの摂取が必要になります。
その他にも、出血時に血を止めてくれる、止血因子を活性化させる働きがあります。
ビタミンKは油やたんぱく質と一緒に取ると吸収率が上がります。
これまでは骨に良い食事について説明しましたが良くないものもあります・・・
まずは加工食品の取りすぎに気を付けることです。
加工食品やインスタント類、清涼飲料水には、リンという栄養素が多く含まれています。
リンが多いと、カルシウムと結びついて結晶を作り、腸での吸収を妨げてしまうのです。
食塩も、取りすぎてしまうと同様にカルシウムの吸収を妨げてしまいます。
次はカフェインです。
カフェインは利尿作用があり、尿と合わせて体内のカルシウムも排出しやすくしてしまいます。コーヒー等であれば、1日に5杯以上のむと影響があるといわれています。
アルコールも同様に、飲みすぎると利尿作用によりカルシウムを体外に出しやすくしてしまいます。
せっかくカルシウムを摂っていても、これら4つを慢性的に取りすぎてしまうと骨にカルシウムが吸着してくれないので気を付けましょう!
・運動も大事!
お食事だけでなく運動も元気な骨をつくるうえで重要になってきます。
運動をすることで骨に適度な負荷(圧力)がかかると、骨をつくる細胞が活性化して、カルシウムが骨に沈着しやすくなります。
反対に、運動不足の状態が続くと、骨からカルシウムが溶け出しやすくなり、骨は弱くなってしまいます。
軽い運動だと1日30分のウォーキングを週に3回以上行うのが理想です!
お食事と運動あわせて皆さんも元気な骨をつくりましょう♪
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参考文献
・厚生労働省 e‐ヘルスネット
・骨を作るサイト